排ガス規制・騒音規制

 近年、バイクの排出ガス規制(以下、排ガス規制)や、近接排気騒音基準が厳しくなり、以前のように近接排気騒音が99dB以下のマフラーなら何でもOKというわけにはいかなっくなってきました。そこでこのページでは、少々複雑になってしまった合法的なバイクのマフラー交換について説明致します。なおこのページでは車検対象である251cc以上のバイクについて説明しております。

■排ガス規制(平成12年二輪車排出ガス規制)
 まず、この排ガス規制は原則的には2000年式(平成12年式)以降のバイクにだけ適用される規制です。ここで言う2000年式以降のバイクというのは細かく言うと以下のようなバイクです。
  ●新型型式登録車の場合 → 1999年10月1日以降に生産された車両
  ●同一型式継続生産車の場合 → 2000年9月1日以降に生産された車両


上記以外のバイク、つまり1999年式(平成11年式)以前のバイクは、排ガス規制対象とはなりません。当然、車検時に排ガス濃度を検査することもありませんので御安心ください。ただし、この年式というのは車検証に記載されている初年度登録と一致するとは限りません。1年以上店頭で売れ残っていたり、海外から中古車を輸入した場合等は年式と初年度登録が一致しません。ですから最終的な確認は、以下の点を車検証で御確認ください。

●国内仕様車の場合
車検証の「型式」の欄を御覧ください。「BC-」から始まる型式が書かれていれば排ガス規制対象車です。  例)  BC-NC39 BC-RP03J BC-GY71A BC-ZRT20A
●逆輸入車及び輸入車の場合
車検証の「備考」の欄を御覧ください。「平成11年排出ガス規制適合」と書かれていれば排ガス規制対象車です。

 さて残念ながら自分の所有するバイクが排ガス規制対象車だった場合、どうすれば良いのかを説明します。各バイクメーカーは排ガス規制をクリアするために、排ガス規制対象車には様々な工夫を導入しました。各バイクメーカーが導入した排気ガスをきれいにする方法には大きく分けて以下のような2つのタイプがあります。

@キャタライザー内蔵
ノーマルマフラー内部に「キャタライザー」と呼ばれる排出ガス発散防止装置(触媒など)を入れることにより、従来よりも排気ガスをきれいにしたバイク
Aキャタライザー無し
エンジンやキャブレーターまたはインジェクションなど排気系以外の部分を改良することにより、従来よりも排気ガスをきれいにしたバイク

ここで自分の所有する排ガス規制対象車のノーマルマフラーが「@キャタライザー内蔵」なのか、それとも「Aキャタライザー無し」なのかを正しく知る必要があります。残念ながらノーマルマフラーを外から見ても、排気口からどんなに覗いてみても、キャタライザーが内蔵されているのかどうかを確認することは不可能です。ノーマルマフラーにキャタライザーが内蔵されているかどうかを知る一番確実な方法は、各バイクメーカーに直接問い合わせることです。いきなりバイクメーカーに問い合わせるのは気がひけるという方はJMCA(全国二輪車用品連合会) のサイトや主要マフラーメーカーのカタログで確認すれば、最新とは言えませんがそこそこ確実な情報が手に入ると思います。
●キャタライザー内蔵の場合
 自分の所有する排ガス規制対象車のノーマルマフラーがキャタライザー内蔵だった場合、キャタライザー無しの社外マフラーに交換したり、別の触媒に変更したマフラーを使用すると違法改造となります。ここで注意が必要なのは、排気ガス濃度が基準値以上に高いから違法改造になるという解釈ではなく、ノーマルマフラーのキャタライザーを外したこと自体が既に違法改造であるということです。
 ではキャタライザー内蔵のバイクは、全くマフラーを交換出来ないかというと、そうではありません。国が定めた公的機関で排ガス試験をクリアした社外マフラーで、「排出ガス試験成績証明書」を提出することが出来る社外マフラーなら交換しても大丈夫です。つまり社外マフラー購入時に「排出ガス試験成績証明書」が付属しているマフラーであれば大丈夫ということになります。
●キャタライザー無しの場合
 自分の所有する排ガス規制対象車のノーマルマフラーがキャタライザー無しだった場合、おめでとうございます、排ガス規制のことは全く気にしないで社外マフラーを選んで大丈夫です。
以上の内容を簡単な表にまとめるとこのようになります。
年式 排ガス規制 ノーマルマフラー 社外マフラー
1999年式以前 対象外 - OK
2000年式以降 対象 キャタライザー内蔵 排出ガス試験成績証明書があればOK
キャタライザー無し OK


■騒音規制(近接排気騒音基準値)
近接排気騒音基準値 [dB]
1998年(平成10年)規制以前 1998年(平成10年)規制 2001年(平成13年)規制
50cc以下 95dB 84dB
新:1998.10.01
継:1999.09.01
輸:2000.04.01
50cc超え〜125cc以下 95dB 95dB 90dB
新:2001.10.01
継:2002.09.01
輸:2002.09.01
125cc超え〜250cc以下 99dB 94dB
新:1998.10.01
継:1999.09.01
輸:2000.04.01
250cc超え 99dB 99dB 94dB
新:2001.10.01
継:2003.09.01
輸:2003.09.01
新: 国産新型車(国産新型車期日以降に型式認定を受けた新型車)
継: 国産継続車(国産新型車期日以前に型式認定を受け、国産継続車を超えて生産される継続生産車)
輸: 輸入車   (輸入車期日以降に生産された輸入車)




Copyright (C) 2000-2004 T.Imamura.


inserted by FC2 system