ジャイロのミニカー化

 前のページで実際の改造は完了です。ここから先は、その後の手続について解説しております。きちんとした手続をしていない改造後のジャイロは違法改造車となりますので、改造後はすみやかに手続を行ってください。

■登録変更
 改造が終わったら、今度は原付1種として登録されているジャイロを、あらためてミニカーとして登録しなくてはいけません。ミニカーの登録は、原付と同様に市区町村役場で行います。しかし現時点では、ほとんどの役場でこのような改造の前例が無いため、場合によっては変更に時間がかかる場合があります。

【登録変更に最低限必要な物】
●旧ナンバープレート
●印鑑(認印可)

 なおこれ以外にも登録変更の手続をスムーズに進めるために、私は以下の2枚の書類を用意しました。ミニカーへの登録変更の場合、提出書類の内容及び書式は定められていないので、絶対に必要というわけではないですが、役場の職員に説明する上でもこういった書類がある方が便利です。

<書類1>

車両種別変更申請書
京都市右京区長殿
2002年  月  日
(氏 名)      印
(現住所)       
【申請内容】
 このたび、私の所有する総排気量49ccの原付1種(3輪)を横(左右)方向への安定性向上の為に改造致しました。この改造に伴い車両種別が原付1種よりミニカーへと変更となりました。
 具体的な改造内容は、後輪に厚さ40mmのスペーサーを追加したこと(左右両側に各1枚、合計2枚で80mm)により、輪距がノーマルの430mmから、510mmに拡がりました。(詳しくは改造概要説明書を御覧ください)
 これにより「道路交通法施行規則第1条の2」によって定められている「内閣総理大臣が指定する三輪以上のもの」の範囲からはずれることになり、このまま原付1種として使用を続けることは法的に不可能となりました。

■「道路交通法施行規則第1条の2」
道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第2条第1項第10号の内閣府令で 定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあっては、総排気量については0、050リツトル、定格出力については0、60キロワットとし、その他のものにあつては、総排気量については0、020リットル、定格出力については0、25キロワットとする。
■総理府告示第48号の条件(平成3年1月1日施行)
(1)車室を備えず、かつ輪距(4輪車のように2つ以上の輪距を有する車にあっては、その輪距の内、最大のもの)が500mm以下である3輪以上の車。
(2)側面が構造上解放されている車室を備え、かつ輪距が500mm以下である3輪の車。

 そこで現在、原付1種として登録されているこの車両を、ミニカーへと即時登録変更して頂けるように申請致します。

【対象車両】
車  名:ホンダ
型  式:TA−02
車台番号:TA02−130****
総排気量:50cc
所 有 者:上記申請者と同じ

<書類2>

改造概要説明書
京都市右京区長殿
2002年  月  日
(氏 名)      印
(現住所)       
 横方向への安定性の向上のために、2つの後輪に各々厚さ40mmのスペーサーを取り付け、輪距を430mmから510mmに拡大した。これにより目標である横方向への安定性が若干向上した。理論的には輪距をさらに拡大することにより横方向への安定性もさらに向上するはずであるが、現在使用中の後輪タイヤが幅130mmであることから、あと10mm以上輪距を拡大すると車両全幅(650mm)よりもタイヤがはみ出すことになり、走行中に歩行者などに接触した場合、非常に危険であるため、安全性を考慮した結果この510mmという輪距が妥当と判断した。


 また、市区町村によってはこれとは別の書類の提出を求められたり、役場で用意された書類に署名を求められたりする場合があります。私が登録変更した京都市右京区でも、下のような区役所が用意した書類に記入・署名・捺印を求められました。普段この用紙は原付の排気量変更に使用されているようです。なお緑色の斜体文字のところが窓口で私が手書きで記入したところです。

<区役所の用意した書類>

年  月  日
京都市右京区長様
排気量変更申立
原動機付自転車について
車名 ホンダ 型式 A02 車台番号 TA02−130****
変更前の排気量 50cc 変更後の排気量 50cc
変更の理由と内容について  原付1種をミニカーに変更
変更、改造の理由
横方向への安定性の向上
変更、改造の内容
後輪に厚さ40mmのスペーサーを追加したこと(左右両側に各1枚、合計2枚で80mm)により輪距がノーマルの430mmから510mmに拡大
取扱業者など
所在地:
業者名:                    印
 私の所有する原動機付自転車の排気量変更を上記の通り申立てます。なお、この改造、変更につきましては、すべて私の責任において、私の意思でおこなったものです。
住所
京都市右京区******町**−**
氏名
**** 印
注意
●この申立書に不備、不明の点がある場合、受け付けられません
●工作を業者に依頼している場合は、業者から証明として上記の『取扱業者など』の欄に業者印をもらって下さい。もしくは工賃などの領収書の写しを添付して下さい。
●この申立てが虚偽であると判明した場合、軽自動車税法448条に基づき、罰金に処されます。
●元来、2人乗りができない車両は排気量を変更しても2人乗りは出来ません。2人乗りにするためには後部座席とステップを取り付ける必要があります。

上記の京都市右京区役所の用意した書類には、実は間違いがあります。用紙の下の方にある「●この申立てが虚偽であると判明した場合、軽自動車税法448条に基づき、罰金に処されます。」という部分ですが、実は軽自動車税法448条ではなく地方税法448条の間違いです。もっとも法令名が間違いであっても虚偽の申立が違法であることには違いありませんので、くれぐれも無改造で書類だけ提出してミニカー登録することは絶対におやめ下さい
地方税法
(昭和二十五年七月三十一日法律第二百二十六号)
最終改正:平成一四年五月二九日法律第四五号
(軽自動車税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第四百四十八条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、五万円以下の罰金に処する。
 まぁ、とにかく役場の職員に対して丁寧に説明するのが一番だと思います。私は15分程度で登録変更手続が終わりましたが、聞くところによるとナンバーを受け取るまで数日かかった場合もあります。



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